金ない君と不思議な犬 【小説】 心の本屋さんproduce

 2024,5月、またもやお金がない。自分の事業を作りたいのに、貯金したいのに、いつもお金がないのはなんでだろうか。

「それなら、お金が貯まる仕組みを整えればいいじゃないか」

「簡単に言うね、どうしたら貯まるんだよ」

 そもそも自分はお金が欲しいのか、そもそもお金とは何のか、お金が回っている状況や、お金を稼ぐとは何なのか、全く分からなかった。

 それを解決するために、また転職、パラサイトシングルのように家に帰る、とかをいろいろ考えて、頭がこんがらがる。

 仕事って、労働力を提供してその対価を得るものだ。その枠から多少外れた雇われ方はあっても、雇われるという最大値は、自分の生きやすさと合致しないからこそ、自分の労働力をお金に換金する術を、雇われる以外の方法で持ちたい。

 「っていう考えはどう?」

 「まだ甘いな」

 僕の手元には、「科学が突き止めた運のいい人」があった。運のいい人は自分を大切にする。自分を大切にできるから、人を大切にできる。人と向き合う時、自分が出発点なら、いつも人ばかり見ていた自分は出発点が見えていないからうろうろとする。

 自分の悩みは、「本」で解決するのはどうか。それで仮説を立てよう。2024年5月のやることが決まった。